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| 原野商法に関する被害例 |
Yは10年以上前に山梨の山林100坪を『将来値上がりが確実だから・・・』と勧誘され200万円で購入しました。この山林は当時騙されて買ったもので、樹木が生い茂っているためどこの部分が自分の土地かもわからないような状況なので購入後は放置していたのですが、最近になってA不動産から電話があり『あなたの土地を500万円で買いたがっている人がいるので転売しませんか?でも、ここは境界もハッキリしていない山林だから転売する前に測量をする必要があります。測量代も山の中だから100万円くらいはかかりますけど、もし転売できない場合は当社が責任をもって買い取りますから。』などど言われました。そこで、Yは転売できた場合にA不動産に支払う仲介手数料の支払約定書と測量工事請負契約書を取り交わし、測量費用100万円を支払いました。
その後、1ヶ月くらいするとA不動産から測量結果報告書が送られてきましたが、転売はできないままになっているので、YはA不動産に問い合わせをしました。すると『転売の努力はしているがなかなかうまくいかない。そもそも買取りの約束なんてしていない。』と言われました。Y不動産は『買取りは単なる口約束であり仲介手数料支払約定書にもその記載がないのだから買取りする責任はない。測量代についても実際に測量はされており測量図も交付されているのだからなんら責任はない。』と言っています。果たして、Yは100万円の測量代を取り戻せるのでしょうか? |
| 対処法 |
これは、典型的な原野商法です。ほとんど価値のない山林や原野を『将来の値上がりが確実』と嘘の説明をして時価の何十倍もの高値で売りつけるのが特徴です。その際に『将来近くでリゾート開発の予定がある』などと地価が高騰する要因をでっち上げ、その土地が将来値上がりするのが確実であるかのように思わさせ『責任をもって転売します』などと言って必ず儲かるかのような話をします。しかし、実際はリゾート開発がされる予定などはなく、転売の可能性もないのです。
さらに最近では、今回のケースのように原野商法の被害者に対し『あなたの土地を買いたいという人がいるので転売を斡旋したいのですが、ここは境界が不明なので測量をし直す必要があります。』などと言って、高額な測量代を騙し取る二次被害が増加しています。悪質業者は、法務局で原野商法で売却した土地の登記簿謄本を閲覧して所有者を調べ上げ、忘れた頃に電話やハガキでおいしい話をもってくるのが特徴です。
今回のケースでは転売するためには測量をする必要があると説明していますが、山林の測量は大変な手間がかかります。実際に測量をせず、図面上の区画だけの図面で現地と符合しない測量図を送ってくることもあります。こういった場合は、刑事上の詐欺罪で告訴できるでしょう。同様の被害者が自分の周りにもいるのであれば相互に連絡を取り合って告訴したほうがよいでしょう。また、民事上は業者に対して不法行為による損害賠償請求をすることもできると思います。実際に『測量結果報告書なるものを送ってきても、何の価値もないので損益相殺の対象とはならない』した判決もでています。
さらに今回の場合500万円という高額では到底売却できる可能性のない土地であるにも関わらず、測量をすれば転売できるとなどと断言してYを信用させて、測量工事請負契約を締結させたものであるので、Yとしては消費者契約法4条1項1号の不実告知同条1項2号の断定的判断の提供に基づきYがA不動産の嘘に気づいてから6ヶ月以内であれば測量工事請負契約を取消し、測量費100万円の返還を求めることができるかもしれません。いずれにせよ速やかに内容証明による解約手続を行うのがよいでしょう。 |
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| 公団住宅申込代行に関する被害例 |
先日、Yの住む賃貸マンションにA社から公団住宅の資料請求らしき葉書が届きました。裏面を見てみると『格安で公団住宅入居できる』といったことが書かれてありました。Yは、最近子供が生まれたのでそろそろ今より広い所へ引越しをしようと考えていたので、名前と住所を書いて返送しました。
数日後請求書が届き、そこには『申込代行手数料3万円』と書かれていました。それによると、Yが資料請求だと思って返送した葉書は、実は有料で公団住宅の申込みを代行してもらうための依頼書であることがわかりました。Yは、始めからその葉書が公団住宅申込代行の依頼書だとわかっていれば葉書を送ったりする気はなかったので、A社に抗議の電話をしましたが逆に『葉書を返送した時点で契約は成立している。解約したいなら別途解約料を払え!』と言われてしまいました。本当に解約はできないのでしょうか? |
| 対処法 |
今回のケースのように、あたかも公団住宅への入居の申込の代行を装って手数料などを騙し取る商法を代理商法といいます。仮に、入居の応募手続を代行したとしても本人が申し込むのと何ら変わりはなく、特に有利になるということはありません。
今回は特定商取引法の通信販売に該当します。同法では通信販売に限ってクーリングオフの制度を認めていませんが広告規制があります。同法では広告規制として『葉書などの申込書を同封して行う通信販売では、有料の申込みであることを明確にしたものにしなければならない』と定めています。今回のように紛らわしい葉書は、この広告規制違反になります。
今回のケースの場合、Yは資料請求だと思って葉書を送ったのであって有料の申込代行依頼書だとは思っていないので、そもそもYとA社との間には契約は成立していません。その旨を内容証明でハッキリ伝えておくことが重要です。
また、今回のように非常に悪質な場合は民法上の詐欺による契約の取消しを主張することもできるでしょう。この手の商法は被害者が大勢いると思われますので、相互に連絡を取り合って刑事事件として告訴するのもよいでしょう。今回のケースのように、解約を申し出たら逆に解約料を請求されたりして、逆に脅されるケースもあります。そういった場合は脅迫・恐喝にもなりますので毅然とした態度で対処するようにしましょう。金額が安いからと言って泣き寝入りしては相手の思う壺で、今後さらに被害が拡大してしまうことが予想されます。刑事事件として告訴すれば示談金で代金の回収ができるかもしれませんので最後まで諦めないことが肝心です。 |
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| マンション購入に関する被害例 |
Yは、先日『眺望が最高!』と銘打たれたマンション広告を見つけました。かねてからYは眺めの良いマンションを探していたので早速A不動産に連絡をしました。A不動産の担当者BはYに『いい物件ですよ。ぜひ一度見に来て下さい。』と言うのでその週末に現地見学することにしました。そして、Bの案内により現地に連れて行ってもらいました。実際にそのマンションの周りには景観を妨げるような高い建造物などはなく、広告どおりすばらしい眺めでした。Bも『素晴らしい眺めでしょう?こんなにいい物件は他にありませんよ。絶対にお買い得です!』と強く勧めてくるのでYは、思い切って購入することに決めました。
しかし、入居してからしばらくするとマンションの目の前で高層ビルの建設工事が始まりました。これでは、素晴らしい眺めが台無しです。こんなことが始めからわかっていれば絶対に買いませんでした。今からでも解約できないでしょうか? |
| 対処法 |
Yは、マンションを選ぶ際に眺望の良さを大変重要視していました。今回のマンションを購入する気になったのも、そのマンションからの眺めが素晴らしかったからにほかなりません。
そもそも今回の場合、A不動産はいずれマンションの目の前に高層ビルの建設工事が始まるということを知っていたのでしょうか?なぜならば、ここを知っていたか知らなかったかによってYの主張にも影響が出てくるからです。
まずA不動産が高層ビル建設の事実を事前に知っていた場合です。
この場合は、Yにマンションについての説明をするに際し、眺めの良いことだけを告げ、数ヵ月後に高層ビルが建設されることは隠していたということになります。A不動産側の立場で考えれば、高層ビル建設の話をすることによってマンションの価値が下がり、買い手が減ってしまうおそれがありますので当然言いたくはありません。しかしながら、不動産業者は宅地建物取引業法により重要事項についての説明義務が課せられていますので、今回の高層ビルの建設について正直に説明する必要があります。よって、A不動産はYに対し眺めが良いという利益のみを告げ、高層ビル建設という不利益を故意に告げなかったといえるので消費者契約法4条2項の不利益事実の不告知に該当するため、Yは高層ビルの建設を知ってから6ヶ月以内であれば契約を取り消せると思われます。
次にA不動産が高層ビル建設の事実を事前に知らなかった場合です。
上述した消費者契約法の『不利益事実の不告知』では故意に不利益を告げなかったことが必要ですので、A不動産が高層ビル建設を知らなかった場合には適用できません。しかし、専門家であるA不動産には売買契約上の義務の中に専門家としての調査義務も含まれていると考えられます。したがって、A不動産がこの調査を怠たり、高層ビル建設という重要な情報を収集できず、その結果それをきちんとYに説明できず、Yが誤認したままマンションの購入契約をしたと認められる場合は売買契約上の義務をきちんと履行していないといえますので、YはA不動産の債務不履行責任を追及して売買契約の解除及び損害賠償請求ができるかもしれません。いずれにせよ速やかに内容証明による解約手続を行うのがよいでしょう。
よっていずれの場合でもA不動産に落ち度が認められるため、Yはマンションの購入契約の解除を主張する余地が十分に認められます。しかし、今回のようにマンションを買う場合には、一生にそう何度もある買物ではないので、業者の言い分をすべて鵜呑みにするのではなく、自分でも周辺事情をいろいろとよく調べてから購入するようにしましょう。 |
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