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クレジット契約で商品などを購入したが、その商品が届かなかったり、商品に欠陥があったりした場合には、購入者は、販売会社に対して商品の引渡し、交換、修理を要求できるのは当たり前ですが、トラブルが解決するまでの間、クレジット会社に対しても代金の支払いを停止することができる場合があります。
この権利を
支払停止の抗弁権
といい、割賦販売法という法律が定めています。
割賦販売法では、購入者がクレジット会社に対して支払停止の抗弁権を主張できる要件を以下のように規定しています。
1.
2ヶ月以上
の期間にわたる
3回以上
の分割払いによるクレジット契約であること
2.
割賦販売法の定める指定商品・指定権利を購入するか、指定役務の提供を受けたこと
3.
販売会社に対して
抗弁事由
があること
4.
支払総額が
4万円以上
であること(リボルビング方式の場合は3万8000円以上)
5.
購入者または役務の提供を受ける者にとって商行為とならないこと
支払停止の抗弁権は、どんなときにも主張できるのではなく、販売会社に対して下記のような抗弁事由があるときに主張できます。
1.
売買契約が成立していない場合
2.
商品が届いていなかったり、商品に破損、汚損、故障、その他の瑕疵がある場合
3.
クーリングオフを行使して売買契約を解除できる場合
4.
詐欺・強迫などにより売買契約の取消しができる場合
5.
未成年者、成年被後見人などの売買契約で取消権を行使できる場合
6.
錯誤、公序良俗違反によって売買契約が無効となる場合
7.
その他商品の販売について、販売店に生じている事由がある場合
購入者は、クレジット会社に対して支払停止の抗弁権を主張することにより、販売会社とのトラブルが解決するまでの間、クレジット会社の支払請求を拒絶することができるようになります。
購入者と販売会社との交渉で結論が出るまでは、個人信用情報機関(いわゆる
ブラックリスト
)に延滞情報を登録されることはありません。
抗弁書の内容によっては販売会社に対して、クレジット会社が解約を働きかけることもあります。
購入者と販売会社との間で、契約解除などの結論が出ると、販売店がクレジット会社にキャンセル伝票を提出して立替払金を全額返還します(いわゆる
赤伝処理
。販売会社とクレジット会社の間でクレジット契約を解約することです)。
クレジットの既払金は、販売会社が返還した立替金の中から、クレジット会社が購入者に返金します。
クレジット会社に対して支払停止の抗弁権を主張するには、その旨を
書面
で通知します。
通常、クレジット会社に支払停止の抗弁を申し出ると、所定の様式の
抗弁書
を送付してくれます。
しかし、申し出内容によっては送付してくれないこともあるので、その場合は、クレジット返済を停止する旨とその理由を書いた内容証明郵便を出すのがよいでしょう。
また、クレジット会社の支払いが、銀行の自動引き落としになっている場合は、それを止める手続きもしておく必要があります。
販売店がすでに
倒産
している場合でも、抗弁が認められればクレジット会社は購入者への債権を放棄することになり、購入者は今後の支払いを免れます。
このときは赤伝処理ができないため、クレジット会社へ既払金の返還請求までできるかどうかは難しい問題です。
割賦販売法では、条文上、支払停止の抗弁までは認めていますが、既払金の返還については特に定めを設けておらず、民法上の判断に委ねられています。
今のところ、販売会社に債務不履行がある場合にはすべてクレジット会社には既払金返還義務があるとするまでの判例は出ていません。
しかし、少なくてもクレジット会社が加盟店契約の締結及び継続をするに当たり、その販売状況や信用状態の把握などに落ち度がある場合には、既払金の返還義務があるといえるでしょう。
上記のとおり、消費者は一定の抗弁事由がある限り、クレジット会社に対して支払停止の抗弁を主張できますが、現実には、クレジット会社から『払ってもらわないと困る』、『販売会社とのトラブルはうちとは関係ない』などと言って請求をすることも少なくなりません。
そのようなときは、毅然と支払停止の抗弁を主張して支払停止の抗弁権を主張しましょう。
また、支払停止の抗弁権を主張する書面には、できるだけ詳しく販売会社とのトラブルを記載しましょう。
言うまでもなく我々専門家が書いた文章のほうがより法律的な文章になるため、支払停止の抗弁権が認められる確率は格段に高くなりますので、ご自分で抗弁書を書くのが不安な方はお気軽にご相談下さい。
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