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悪質商法の被害例とその対処法
通信サービス関係による被害例とその対処法
パソコン通信に関する被害例
YはA社のパソコン通信の会員になっていますが、ある日突然、身に憶えのない高額な代金が記載された請求書が届きました。そこでYは、A社に問い合わせの電話をしたところ、どうやらYと全く関係のない第三者がYのパスワードを盗用して勝手に利用したことがわかりました。そこで、YはA社に自分が使用したものではないから使用料は払わない旨を伝えたところA社は『当社とあなたとの契約ではパスワードの管理責任は会員の責任とされていて、使用料は全て会員が負担することになっています。よって、今回の使用料も会員であるあなたに負担していただくことになります。』と言われてしまいました。Yは、自分が使ったわけでもない使用料をなんで負担しなければいけないのか納得がいきません。第三者が勝手にパスワードを盗用した場合でも会員であるYに使用料の負担責任があるのでしょうか?
対処法
そもそもこのA社が一方的に作成した約款自体が有効かどうかが問題になります。というのも消費者契約法10条で以下のように定められているからです。
『民法・商法その他の法律の公の秩序に関しない規定の適用による場合に比し、消費者の権利を制限し、又は消費者の義務を加重する消費者契約の条項であって民法第1条第2項に規定する基本原則に反して消費者の利益を一方的に害するものは無効とする。』
 ここでのキーワードは『消費者の利益を一方的に害するもの』です。実際問題A社の立場で考えてみると、今回のような約款を作成しておかないと通信事業を行うことが現実的に不可能になってしまうと考えられます。というのも会員がパソコン通信を行ったときも第三者がパスワードを盗用して勝手に利用したときも、あらゆるケースにおいてその立証責任が業者の負担になってしまうからです。だからこそ、パソコン通信事業を行うためには今回のような約款はどうしても必要なものと考えられますので、上記の消費者契約法が定める『消費者の利益を一方的に害するもの』といえるほど信義則に反しているとはいえないので今回のケースのような約款を一律に無効と解釈することはできないでしょう。
 さらに、今回Yは約款の内容自体を把握しないでA社と契約していますが、そういった場合でもYは約款に拘束されるのでしょうか?この問題に答えた判例では以下のように説明がなされました。
反証がない限り当事者は約款による意思で契約したものと推定される。
 したがって、契約当時YがA社の作成した約款の内容を認識していなかったからといった理由で約款の拘束力を否定することはできないことになるでしょう。
 ただし、今回のケースの場合のようにパスワードが第三者に盗まれたりした全ての場合に会員が責任を負うのかと言うとそうとも言い切れません。例えば業者のホストコンピューターから直接パスワードが盗まれた場合など業者に落ち度があると認められる場合です。このようなときにまでパスワードの管理責任を会員に負担させるような約款は上記の消費者契約法の趣旨から有効と解釈することはできませんので会員に使用料の支払義務はないと考えられます。
 このように、パソコン通信などの契約をする場合は、約款などの内容をろくに確認しないで契約してしまいがちですが、なるべく内容を吟味したうえで契約するようにしましょう。
ダイヤルQ2に関する被害例
先日NTTより、Y宅に請求書が届きました。それによると電話料金が50万円を超えていました。Yの電話代金はせいぜい毎月1万円くらいでしたので、YはびっくりしてNTTに問い合わせをしたところダイヤルQ2を利用したもので有料情報提供料が入っているとのことでした。Yは、そんなところに電話をした覚えがないのでNTTに抗議したところ、後日NTTから通話データが送られてきました。その記録によると確かにダイヤルQ2を利用していました。そこでYは息子が最近夜に長電話をしていることを思い出したので息子に問いただしたところ、息子が無断でダイヤルQ2を利用していたことがわかりました。
 Yは、NTTに対しダイヤルQ2の利用料を支払わなければならないのでしょうか?
対処法
ダイヤルQ2とはNTTから専用の電話回線の開設を受けて、電話で利用者に各種情報を提供するものです。NTTは情報提供料と電話料金を利用者から徴収し、情報提供料を一定のパーセントの手数料を差し引いてダイヤルQ2業者に支払う約定をしています。
 ここで問題となるのはYはNTTとは電話加入契約をしていますが業者とはまったくの無関係であるところです。Yが業者と事前にダイヤルQ2の加入契約をすれば、利用する際に情報の提供と対価の支払いについては内容が理解でき不必要なものは選択できますが、電話の性質上加入者以外の第三者が利用するときは全くの無防備となります。
 よって、ここではダイヤルQ2の情報料と通話料の2つに分けて説明します。

1 情報料について
ダイヤルQ2の情報料は情報提供者から情報の提供を受け情報提供者と契約関係に入った者が、提供を受けた情報サービスの対価として本来情報提供者に支払うべきものです。
 情報料債務は、NTTに対するものではなく情報提供者に対するもので、あくまでも情報提供者との間に契約関係が存在することを前提として発生するものです。そうだとすると、NTTの電話サービス契約約款162条では、
『有料情報サービスの利用者(その利用が加入電話等からの場合はその加入電話等の契約者とします)は有料情報サービスの提供者に支払う当該サービスの料金等を、当社がその情報提供者に代わって回収することを承諾していただきます。』と定めており、
 118条では電話回線の利用料金については、その通話内容、通話料金額、利用についての契約者の承諾の有無を一切考慮せず、画一的にその通話料金を支払うべき者を契約者と定めていることを考慮すると、 この約款162条の規定は、
 情報提供者に対する情報料債務が加入電話契約者に発生している場合の加入電話契約者とNTTとの関係を規律したものにすぎないと解釈するべきです。
 よって情報提供者から何ら情報提供を受けておらず、他人が情報提供を受けることについても明示にも黙示にも承諾していない加入電話契約者が、NTTの約款を根拠に、情報提供者に対する情報料債務を負担すると解することはできないと考えられます(大阪高判平6.8.10)。
 今回のケースの場合も、Yは情報提供者から何ら情報提供を受けておらず、息子が情報提供を受けることについても明示にも黙示にも承諾していなかったのですから情報提供者に対し情報料債務を負担していませんので回収代行者であるNTTに対し情報料を支払う必要はないと考えられます。

2 通話料について
通話料債務はNTTに対するものですから上記のNTTの約款に基づいて発生する余地があるという点で情報料債務とは事情が異なります。裁判所の見解も分かれているため断定的なことは言えませんが少なくともダイヤルQ2が周知の事実をなっており、NTTが様々な改善策を行っている現時点においてはYが息子に電話回線を使用することについては許諾していたと認められますので、ダイヤルQ2の通話料についてはNTTへの支払いを拒むことはできないと思われます。しかし、請求額が減額されることがあるかもしれません。
 いずれにせよ非常に判断が難しい問題であるので、ダイヤルQ2を利用する際は十分に気をつけて下さい。
 
外国業者とのインターネット取引に関する被害例
アメリカのA骨董品業者が運営するホームページを見たYは、その中で紹介されている古時計に目をつけました。A社によればその古時計はきちんと修理されており、現在も普通に使用できるとのことでしたので、Yは思い切って購入することに決めました。そこで、ホームページ上から自分のクレジットカード番号を送信し、カードで代金を支払いました。一週間ほどしてYの元に商品が届きましたが、その古時計は壊れており動きませんでした。さらに、クレジット会社からの利用明細を見てみると、Yが買った憶えのない装飾品の代金まで書かれておりました。Yは見覚えのない装飾品の代金まで支払わなければならないのでしょうか?
対処法
このように外国の業者との取引で問題が生じた場合に、いったいどちらの国の法律が適用されるのでしょうか?こういった問題を『準拠法』の問題といい、国境を越えて交わされる取引についての法律の適用関係は日本では『法例』という法律がそのルールを決めていて、日本では原則として当事者の意思によるとされています。そして当事者の合意がない場合は申込みをした国の法律が適用されます。しかし、この『法例』も1898年に制定され、1989年に一部改正されましたがその後は手つかずでした。そこで、最近の国際化やIT(情報技術)化に対応していないとの批判もあり近々全面的に見直しがされる予定です。
 今回のケースの場合、A社のホームページ上で今回の取引で適用される法律が自国の法律であるということがハッキリと示されており、Yがそれを承諾した上で古時計の申込みをしたのであればアメリカの法律が適用されることになります。
 しかし、そうでない場合は申込みをしたYの日本の法律が適用されます。もし、今回の場合に日本の法律が適用されるとすれば、A社は壊れた古時計を送ってきているので、Yは債務不履行を主張して売買契約を解除して支払った代金の返還請求ができると思われます。
 またYは、代金をクレジットで支払っていますが、今回のような国際クレジットの場合も日本の割賦販売法の適用がありますので、相手が外国の業者であっても日本の消費者が販売業者に主張できる事由をもってクレジット会社からの代金支払請求を拒絶できます。
 よってYはアメリカの法が適用されるか日本の法律が適用されるかを問わずA社に対しての代金支払義務がないことをもってクレジット会社に対抗できると思われます。
 今回、クレジット会社からの利用明細には買った憶えのない装飾品の代金まで入っていましたが、これはいわゆる『なりすまし』に遭ったものだと思われます。民法上は名義を冒用されても名義人が契約上の責任を負わないのが原則ですが、クレジットカード番号やIDやパスワードの管理に名義人に落ち度が認められる場合には名義人が例外的に責任を負うことになることもあります。また、クレジットカードの利用規約には『なりすまし』が行われた場合に名義人側に第三者の不正使用の立証責任を負わせているものもあるので、その場合には被害者の免責を立証することが難しくなりますが、そもそもこの規約が消費者契約法10条に違反して無効ではないか、と言う問題が残ります。いずれにせよ、インターネットでの外国の業者との取引は慎重に行うようにしましょう。